制作ノート

セクシュアル・マイノリティの存在をどう私たちが受け止めてきたか? 自分とは別の人間。あるいは関わりたくない人たちという通念が、その存在をいつも見えない、見ない存在にしてきたように思います。

当事者が何を考え、どう生きているか、カメラが寄り添うことによって、リアルな彼らを理解できるはずだと思って撮影を開始しました。

撮る側、撮られる側としての関係を構築することからロケは始まりました。彼らが社会に対して感じる“壁”をどうしたら私たちも実感できるか?果たして、彼らの側に私たち制作者が本当に立つことができるのか?この作品はそれが問われる現場でした。

医学的でもなく、分析的でもなく、生き方を選びとる主人公の勇気ある人生に迫ることを目指した作品です。規制の多いテレビでは描けない、セクシュアリティと愛の赤裸々な問題を映画ならではのエンターテインメント表現でチャレンジしました。

 

監督プロフィール

渡辺 正悟

1951年、広島県生まれ。長年、テレビドキュメンタリー番組のプロデユーサー・ディレクターとして、紀行・民族・医療・伝統芸能・歴史・戦争・音楽・アートなどの大型番組を制作。一貫して、人間の営みのドラマ性を追求。

2012年北米最大の国際ドキュメンタリー映画祭Hot Docs
正式招待作品「会田誠 駄作の中にだけ俺がいる」