Character
主人公
新井祥
漫画家。30歳まで女性として暮らしてきて、染色体検査でインターセックスと判明。
自身は、男性でもなく、女性でもない何かと性自認し、自分の体に起きた劇的な体験をエッセイ漫画として飄々と描く。離婚も経験し、東京から名古屋へ引っ越し、専門学校の非常勤講師となる。
そこで出会ったゲイの美青年、こう君をアシスタントにして、同居生活を送る。
出会いから10年、こう君は漫画家デビューし、カミングアウトをする。カメラが二人の生活に密着し、新井の心の奥底を照射するとき、二人の関係は思わぬ方向へ・・・。
新井祥は漫画だけではなく、トークショーも行っている。名古屋の会場では、染色体検査でインターセックスだと判明したという読者から、感謝の言葉をかけられた。新井の漫画のおかげで、自分がどう生きたらいいのか、教えられたと告白された。職場でもカミングアウトして、理解を得られているという。
新井自身も相談者たちからの多くの感謝の言葉によって、励まされている。
セクマイの仲間たち
香港の細細老師
香港の漢方医、細細老師は30数年間、欠陥を持ったという気持ちにさいなまれながら「男性」として生活し、のちに、検査でインターセックスであることがわかる。今は漢方医の仕事の傍ら、セクシュアル・マイノリティの若者の相談や、インターセックスの赤ん坊に対して、早まった時期での手術をしないように社会に呼び掛けている。やっと、ソウルメイト(心の友)に出会ったと思った新井の心には・・・
性同一性障害の倉持君
倉持君は自分のセクシュアリティは男だと小さいころからわかっていた。夏、Tシャツ姿で歩きたいと思ったが、胸のふくらみに不安が常にあり、周囲を気にしてばかりいた。カウンセリングによって、男性名に変わったが、性別適合手術をしていないので、戸籍は女性のままだ。倉持君は家族にわかってもらうため、何度も話し合いを持った。しかし、家族の理解は・・・。家族会議を通して、当事者の家族の葛藤にフォーカス。そして、倉持君は性別適合手術の先進国、タイに旅だった。そこで出会った新井との交流は・・・
タイのガトゥーイたち
タイでは昔から女性の姿で社会生活をおくる男性たちが多い。彼らはガトゥーイと呼ばれ、タイ社会は彼らを差別することなく、受け入れている。公務員(中学教師)のトンター先生は手術を済ませ、女性として暮らす。(タイでは手術をしても法的には男性のまま)美人の先生を子供たちは、敬意をこめて、「第2の女性」と呼ぶ。
新井の同僚教師・青山先生はXジェンダー
Xジェンダーとは戸籍上の性ではなく、女性・男性のいずれの性別でもない、または決められないというという立場を取る人。女性の体に生まれた青山先生は、男性ホルモンを注入。ひげのある顔とボインな姿を鏡で見たとき、一番しっくり来たという。